アフタースクール 75点
2021年3月10日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:大泉洋 佐々木蔵之介 堺雅人
監督:内田けんじ
確か劇場公開当時に観た。今回レンタルしてきたのは『 騙し絵の牙 』で大泉洋に騙されないように備えたかったため。そして『 シン・エヴァンゲリオン劇場版 』にも備えたかったから。大人になるというのは、なかなかに難しい。
あらすじ
神野(大泉洋)は中学からの友人の木村(堺雅人)にクルマを貸すも、その木村が姿を消してしまう。そんな折、同級生の島崎を名乗る探偵(佐々木蔵之介)が神野の勤務先の中学校を尋ねてくる。木村を探しているという島崎に、神野は同行することになり・・・
ポジティブ・サイド
これは素晴らしいアンサンブル・キャストだ。大泉洋のどこか軽佻浮薄な印象や、佐々木蔵之介の胡散臭さ、堺雅人の外面の良い人ほど・・・感。役者がナチュラルに放つ雰囲気を映画世界に見事に取り込み、それを活かしたドンデン返しは鮮やかの一語。
劇場で観た時は、序盤から中盤にかけてのスローペースに少々厭いてしまったが、今回はストーリーを把握した上での鑑賞のため、伏線の再チェックの意味合いが強かった。その意味で、細かな仕込みの数々には改めて驚かされた。最も「上手いな」と感じたのは、言葉の意味が人間関係によって変わるところ。いや、人間関係というよりも、その人間が・・・おっと、これ以上はネタバレか。
もしもまだ未見の人がいれば、前情報は極力仕入れずに観るべし。大人の仕事を味わえることは間違いない。大人というのは「逃げ出さない」、「守り抜く」ことなのだ。
ネガティブ・サイド
序盤の保守政治家の演説シーンだけはあからさま過ぎたように思う。これは劇場でも再鑑賞でも感じたこと。また「悪いのは秘書」という(間接的な)図式が大昔も当時も今も通じてしまうのが少し悲しい。本作とは関係ないが。
後は警察の逮捕劇がちょっと強引すぎる。というか、飲酒検問は何とかなっても(多分ならない、呼気検査もしてない)、車内の私物を押収はできない。大企業の社長なら顧問弁護士をその場で呼んでもおかしくないし、実際そうされたら「違法捜査だ」と指摘されてすべて終了。日本の警察はミランダ警告もしないし、弁護士を呼ぶという権利行使も認めないという悪しき慣習を黄門様の印籠のように扱うのは個人的に頂けなかった。
総評
小説『 騙し絵の牙 』は未読なのだが、映画の方はおそらく似たような仕掛け、つまりキャラクター同士の騙し合いを通じて観る者を騙す、が施されているものと思われる。予習というか、準備に本作は最適だと思われる。もちろん、『 騙し絵の牙 』の鑑賞予定があってもなくても、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人のファンなら要チェックである。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
classmate
「同級生」という意味だが、読んで字のごとく「同じクラスにいる/いた者」を指す。日本語の同級生にあたる英単語はちょっと見当たらない。Schoolmateというのは学校が同じでも学年が違う場合がある。なので、同級生という日本語の持つニュアンスを出すためには、
They are in the same grade.
あいつら、同じ学年だよ。
We went to the same school together.
俺ら、同じ学校だったよな。
のようなセンテンスにするしかない。