事故物件 怖い間取り 5点
2020年8月31日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:亀梨和也 奈緒
監督:中田秀夫
『 エミリー・ローズ 』のレビューで本作から地雷臭がすると述べたが、本作は地雷ではない。完全なるゴミである。『 記憶屋 あなたを忘れない 』や『 ヲタクに恋は難しい 』をさらに下回る駄作で、我が映画鑑賞人生においても最低レベルの作品である。
あらすじ
売れない漫才コンビのジョナサンズの一人、山野ヤマメ(亀梨和也)はコンビ解散後にひょんなことから「事故物件住みます芸人」に転身することになる。そして、不動産屋で事故物件を紹介してもらい、そこに住み始める。しかし、それ以来、身の回りで怪奇現象が起き始め・・・
ポジティブ・サイド
ない。
いや、奈緒の出演で5点だけは与えておく。
ネガティブ・サイド
なにから突っ込んでよいのか分からない。どいつもこいつも下手くそな関西弁をしゃべり、何がきっかけで売れたのか分からないまま「事故物件住みます芸人」として人気が出たのか、その経緯も不明。
相方との関係も意味不明。ビジネスパートナーなのか戦友なのか、『 火花 』のようにそこを明らかにせんかいな。亀梨は元・相方に実家に帰れといった次の瞬間に、「なんで実家に帰るんだ?」って、アホか。その相方も奈緒演じる梓に「アイツとは縁を切れ」ってなんでやねん。とにかくジョナサンズの二人の関係性がまったく理解できない。だから、この二人が同じ画面内にいてもなんのドラマも生まれない。
亀梨は都合4件の事故物件に住むが、そのどれもが怖くも何ともない。すべてがこけおどし、または使い古されたクリシェに過ぎない。特に千葉の4件目はギャグか何かとしか思えない昭和の遊園地の片隅に見られた子供騙しのお化け屋敷状態。キャンキャンとした効果音がうるさかったが、それがなければJovianの失笑が半径10mぐらいの範囲に聞こえてしまっていたことだろう。ラスボス(?)的な存在もギャグである。これが怖いと思えるのは小学校低学年の女子ぐらいだろう。脚本、絵コンテ、撮影、編集のいずれの段階で監督も役者もスタッフも、誰も何も感じなかったのか。そんな姿勢で映画を作っているから、韓国映画やインド映画に大きく水をあけられるのだ。本作はジャパネスク・ホラー完全終了のお知らせということ以上に、邦画の終わりの始まりを告げる作品と受け取るべきなのかもしれない。
総評
本当なら8月30日に観た『 糸 』のレビューを先にすべきなのだろうが、どうしてもこちらを先に片付けたくなってしまった。とにかく本作は観てはいけない。こんな作品にカネと時間を使ってはならない。我々がかつて敬服した中田秀夫監督はもう死んだ。そう思うしかない。冥福を祈る。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
Sorry, no lessons. I need to erase my memory of this film ASAP.