みなに幸あれ 20点
2024年2月3日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:古川琴音
監督:下津優太
簡易レビュー。
あらすじ
祖父母の家を久しぶりに訪れた看護学生の孫(古川琴音)は、2階の奥の部屋に何かの存在を感じ取る。やがてその存在が姿を現して・・・
以下、軽微なネタバレあり
ポジティブ・サイド
登場人物すべてに等しく名前がないというのは印象的だった。『 グレート・インディアン・キッチン 』でもそうだが、そうした設定では主題がよりいっそう抽象的かつ一般的になり、観る側の想像力を喚起する。
ホラーとしては凡百あるいはそれ以下だが、弟の痙攣シーンはなかなかに味わい深かった。
ネガティブ・サイド
雰囲気的に『 リゾートバイト 』そっくり。だが『 リゾートバイト 』が先行ホラーのモチーフに加えてオリジナルのアイデアを盛り込んでいたのに比較すると、本作は先行ホラーのオマージュで終わってしまったという印象。というか、ホラーですらない。
冒頭の回想シーンの引きは思いっきり『 アス 』の少女が暗闇で息をのむシーンのパクリ。その後も『 ヘレディタリー/継承 』や『 ミッドサマー 』を思わせるシーンに、Jホラー降霊の暗い廊下に立つ人影など、雰囲気だけは怖いけれど、その実、何も怖くないシーンが続く。監禁老人の存在はまだしも、祖父母の奇行がギャグにしか見えない。
自家製味噌とか、想像力を刺激して恐怖心を呼び起こすガジェットは無数にあったのに、それらをまったく有効活用できていなかった。看護師=患者の存在を前提に成り立つ職業という、主人公のアイデンティティを揺るがすような展開もなし。脚本段階で色々と破綻していたか、あるいは編集が下手くそだったか。まあ、その両方だろう。
総評
個人的に期待していた映画で、あらすじもトレーラーも何も目にせず臨んで大失敗。総じて大学の映画同好会レベルの作品。本作をお勧めできるのは、珍品が好きだという一部も好事家だけだと思われる。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
Sorry, no lessons. I need to forget about this movie right now.
次に劇場鑑賞したい映画
『 ザ・ガーディアン 守護者 』
『 哀れなるものたち』
『 熱のあとに 』