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タグ: 監督:トラヴィス・ナイト

『 バンブルビー 』 -本家よりも面白いスピンオフ-

Posted on 2019年3月28日2020年1月9日 by cool-jupiter

バンブルビー 65点
2019年3月24日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ヘイリー・スタインフェルド ジョン・シナ
監督:トラヴィス・ナイト

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190328141635j:plain

本家本元は『 トランスフォーマー 』、『 トランスフォーマー リベンジ 』、『 トランスフォーマー ダークサイド・ムーン 』の3つだけ観た。観れば観るほど面白さを失っていく作りで、マイケル・ベイにはいささか失望させられた。最後の2作はスルーさせてもらっている。しかし、Jovianが推しているヘイリー・スタインフェルドが主演とあらば、観ないわけにはいかない。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190328141727g:plain

あらすじ

時は1980年代。父の死を乗り越えられない孤独な少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は、リペアショップから黄色のビートルを譲り受ける。しかし、それはサイバトロンの戦士B-127が姿を変えたものだった。チャーリーは記憶と声を失った戦士をバンブルビーと名付けた。種を超えた友情を育む二人。しかし、そこにディセプティコン達が現れ、チャーリーとバンブルビーは否応なく戦いに巻き込まれていく・・・

ポジティブ・サイド

トランスフォーマー映画の大きな弱点の一つに、巨大ロボットたちの肉弾戦に説得力がないことだった。金属生命体同士の激突に、質量が感じられないことが個人的には一番の不満だった。スケールは全く違うが、『 シン・ゴジラ 』でJovianが最も好きなシーンの一つは、第四形態ゴジラが踏みしめた脚を上げただけで、家屋がバラバラになって空中を舞うシーン。おそらく時間にして2秒ほどだが、これでシン・ゴジラの実在性、迫真性が大いに増した。ちなみに、そうした細かな描写がほとんどなく、怪物同士が激突するだけのCGI shit festに『 パシフィック・リム 』がある。トレーラーにもあり、本編でもかなり笑えるシーンの一つとして、バンブルビーがチャーリーの家のソファに座って、それを壊してしまうシーンがある。彼のお茶目さを表すとともに、ボットの質量を表現する重要なシーンでもあった。

バンブルビーというキャラの魅力付けにもぬかりは無い。声を無くした彼が、コミュニケーション手段としての音声を手に入れるシークエンスは、非常にノスタルジックだ。カセットテープにレコードと、昭和の終わりから平成の初めの頃を思い出す。80年代のヒットチューンも満載で、一定以上の年齢層には刺さるだろう。バンブルビーがビートルの姿で疾走するエキサイティングなシーンから、非常にコミカルなシーンまであり、彼が単なる金属生命体ではなく、使命感と責任感のある戦士であり、それ以上に非常に心優しい人間味のあるキャラクターであることが如実に伝わってくる。ガレージで微妙に絶妙にノリノリになっているバンブルビー、嫌なものは嫌だと断固拒絶するバンブルビーを、我々はどうしたって愛さずにはいられない。

バンブルビーが魅力あるキャラクターに仕上がったのは、チャーリー演じるヘイリー・スタインフェルドの演技に依るところも大きい。こじらせ女子を演じさせれば右に出る者が無いないのは『 スウィート17モンスター 』で証明済みだ。そうそう、スティーヴィー・ニックスの楽曲は本作でも聞こえてくる。おそらくヘイリーのfavorite singerなのだろう。お父さんっ子であり、元高飛び込み選手であり、遊園地の売店のパートタイマーであり、メカニックの卵でもある。単に孤独な少女なのではなく、生き場をなくし、それでも生き場を求める少女が、それをオートリペアショップの古ぼけたビートルに見出す様、そしてバンブルビーの名付け親になり、ある意味での育ての親になり、無二の親友になり、戦友になっていく様はビルドゥングスロマンである。今も昔もメカやコンピュータにのめり込むのは男の子だったが、それを女の子にするだけでドラマが明るくなるし、よりカラフルになる。

ジョン・シナはプロレスラーとしては同時期のカート・アングルやJBLに遥かに劣った。しかし、演技に関してはストンコやバティスタよりも上かもしれない。ただ、軍人以外のキャラを見ないことには何とも言えないが。

シリーズ全てを知らなくとも楽しめるようになっているし、シリーズを全て追っている人ならもっと楽しめるだろう。とにかく監督がマイケル・ベイでなければ良いのである。

ネガティブ・サイド 

チャーリーの隣人の男の子役はキャラが上手く固まっていないという印象を受けた。気になる女子に話しかけたいが、うまくいかない。だがそれはタイミングが悪いのであって、彼が話しかける時を弁えていないというわけではない。一方で、自分で自分に ”You’re not a nerd, You’re not a nerd, You’re not a nerd.” と言い聞かせるところからして、設定ではオタクらしい。にも関わらず、部屋に飾ってあるポスターは『 遊星からの物体X 』。だがこれはリメイクのそれ。ナードならオリジナルの方を貼っとけと言いたい。また部屋にあった姉のものだと言っていた化粧品らしき瓶の数々は何なのだ?一瞬トランスジェンダーか何かかと思ったが、それならチャーリーが好きなことが説明しづらい。このキャラが充分に立っていないというか、属性が不明なのが気になって仕方が無かった。

不可解なシーンはチャーリー絡みでもあった。ネタばれになるので詳細は書けないが、何故そこでバンブルビーにそんなことをするのだ、というシーンが存在する。チャーリーのメカニックの卵設定はどこへ行ったのだ?

総評

シリーズを全て観ていない者の感想なので、見落としているもの、見誤っているものがあるはずである。それでも、欠点よりも長所が目立つ作品である。バンブルビーという名前が与えられる瞬間もいい。Prequel作品として見れば『 ハン・ソロ スター・ウォーズウォーズ 』よりも上質である。 もしも黄色のビートルが良いなと感じられたら、Jovianの先輩、水沢秋生の実質的デビュー小説『 ゴールデンラッキービートルの伝説 』をどうぞ。

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アクション, アメリカ, ヘイリー・スタインフェルド, 監督:トラヴィス・ナイト, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 バンブルビー 』 -本家よりも面白いスピンオフ-

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