Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

タグ: 監督:ケイト・ショートランド

『 ブラック・ウィドウ 』 -二代目ブラック・ウィドウの誕生-

Posted on 2021年7月31日 by cool-jupiter

ブラック・ウィドウ 50点
2021年7月24日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:スカーレット・ジョハンソン フローレンス・ピュー
監督:ケイト・ショートランド

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210731111005j:plain

『 アベンジャーズ / エンドゲーム 』以来のMarvel映画。Jovianは正直なところ、ゴジラとスター・ウォーズはいつまでも観ていたいが、Marvelはどれもこれも1~2回観ればいいかなと常々感じてきた(スパイダーマン除く)。本作も世評ほどの佳作には感じなかった。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210731111025j:plain

あらすじ

ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ジョハンソン)は、キャプテン・アメリカ側について「シビル・ウォー」を起こしたことから国際指名手配されていた。逃避先のノルウェーで謎の敵に襲われたナターシャは、ブダペストの隠れ家に向かう。そこでかつての妹、エレーナ(フローレンス・ピュー)に再会する。自分たちを超一流のスパイかつ暗殺者に育て上げた組織「レッドルーム」が今もウィドウと呼ばれる暗殺者たちを養成していると知った彼女たちは、かつての家族の助力を得ようとして・・・

 

ポジティブ・サイド

”Smells Like Teen Spirit”の女性カバーによって淡々と描かれるナターシャの成長と暗殺の歴史。ブラック・ウィドウのガールの部分は序盤で割と丁寧に描き、ウーマンやワイフにあたる部分はダイジェストにするのは間違った判断ではない。クロゴケグモよろしく、『 AVA / エヴァ 』におけるジェシカ・チャステインのような任務をいくつも性交・・・ではなく成功させてきたのだろうが、スーパーヒーローにそうした描写は似合わないし、時代が要請するものでもない。

 

ストーリーもアクション多めというのは有難い。Marvel Cinematic Universeに通暁していなくても、単にど派手なアクションを鑑賞して楽しむこともできる。特にブラック・ウィドウは肉弾戦が主体で、ビームの打ち合いになったりしないところが良い。ブダペストの隠れ家での姉妹のバトルはプロレス的な楽しさがあったし、その後のカーアクションはど派手の一言。邦画でもこれぐらいのカーアクションをもっと観たいと思わせてくれた。

 

姉妹の共闘、父親の救出、そして母親との合流など、ストーリー進行のテンポが早い。『 アクアマン 』のように、次から次へとミッションを進めながらクライマックスに向かっていく疾走感が心地よい。悪い男に操られていた女性たちが独立不羈の存在になっていくというストーリーは、ベタではあるが現代的なメッセージだと言えるだろう。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210731111045j:plain

ネガティブ・サイド

ナターシャというキャラクターで、個人的に最も知りたいと思っていたのは「なぜハルクと良い感じの雰囲気になれたのか」だったが、そうした部分に迫るような背景描写は一切なかった。アベンジャーズを疑似的ではあるが家族として捉えていたのは本物の家族がいないことの裏返しであることは分かったが、偽物の家族でも本物の家族になりうるというのは、映画一本かけて追究しようとするテーマだろうか。もちろん『 万引き家族 』という優れた先例もあるが、本作ではそれが本筋ではないように感じた。

 

フローレンス・ピュー演じる妹も、いちいちナターシャの挙動に突っ込みを入れるのは面白くなかった。ここらへんのユーモアは受け取り手ごとに感想は様々に変わるのだろうが、Jovianは「それはもう『 デッドプール 』でもうやっただろ?」としか思わなかった。

 

細部の描写もリアリティを欠く。父親のアレクセイが背中にタトゥーを彫ってもらいながら次々に色んな相手と腕相撲をしていたが、そんなことが可能か?きっと背中にはグニャグニャの刺青が入ったことだろう。この親父も父親像としてはピンとこなかった。典型的なpositive male figureとして描く必要はないが、どこらへんに父親としてのパワーがあるのか伝わってこなかった。これが例えば、上述のタトゥーが、実はかりそめに過ぎないわずか数年の間の家族への惜別の情を表したものだった、ということであれば人物像もガラリと変わるのだが、そんなことはなかった。この男に感情移入しろというのはなかなかに難しい注文だった。

 

ポスト・クレジットでは「うーん、その方法で盛り上がるのか?」というストーリーが示唆される。『 ゴジラvs.コング 』のような展開になるのは火を見るよりも明らかだ。

 

総評

つまらなくはないが、手に汗握る面白さでもない。アクションだけが見どころというわけではないが、では一体何を楽しめばいいのか、鑑賞後の今もよく分からない。『 アベンジャーズ /エンドゲーム 』以前と以後の両方をつなぐ物語としての説得力が弱いと感じた。個人的にはナターシャのウィドウとしての活躍よりも、ガールの頃をもう少し丹念に描いてほしかったと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

No shit.

『 プライベート・ウォー 』でも紹介した表現。意味としては”You bet.” =「そのとおり」と同じだが、ニュアンスが違う。expletiveな語が使われているように、やや過激なニュアンスがあるが、フランクな日常会話では結構頻繁に使われる表現である。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アクション, アメリカ, スカーレット・ジョハンソン, フローレンス・ピュー, 監督:ケイト・ショートランド, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ブラック・ウィドウ 』 -二代目ブラック・ウィドウの誕生-

最近の投稿

  • 『 28日後… 』 -復習再鑑賞-
  • 『 異端者の家 』 -異色の宗教問答スリラー-
  • 『 うぉっしゅ 』 -認知症との向き合い方-
  • 『 RRR 』 -劇場再鑑賞-
  • 『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』 -すべてはビジョンを持てるかどうか-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme