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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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タグ: 東山紀之

『 おとなの事情 スマホをのぞいたら 』 -平均的なコメディ-

Posted on 2021年1月15日 by cool-jupiter

おとなの事情 スマホをのぞいたら 55点
2021年1月11日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:東山紀之 常盤貴子
監督:光野道夫

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210115010507j:plain
 

原作も、2019年に心斎橋シネマートで公開されていた韓国版リメイクも未鑑賞。ということは新鮮な目で本作を味わえるわけで、期待を胸に劇場へ。そこそこのコメディに仕上がっていた。

 

あらすじ

雇われ店長とその妻、パラリーガルの夫と子だくさんの妻、たたき上げの美容整形外科医の夫とテレビでも活躍する精神科医の妻、そして独身で塾講師の三平(東山紀之)はCAFFE ANGELAに集って晩餐を楽しんでいた。ふとしたことからスマホをテーブルに置き、通話やメールを全員に公開するというゲームを行うことに。そして、着信やメールのたびに、隠されていた秘密や人間関係が露わになっていき・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210115010529j:plain
 

ポジティブ・サイド

腹筋やらジョギングを欠かさないというマッチョなイメージの東山紀之が非常に良い味を出している。男らしいからではない。5ちゃんの塾講夜話をしげしげと眺めていそうな、どこか浮世離れした塾講師をリアルに体現できていた。

 

パラリーガルの田口浩正も素晴らしい。曲者ぞろいの晩餐会参加者の中でコミックリリーフをほぼ一手に引き受けていた。顔面で演技ができるタイプで、表情がくるくる変わり、心情をダイレクトに伝えられるのが強み。のみならず、土着的な中年日本人顔で、とにかく親近感が湧くのである。東山紀之と絶妙な掛け合いを披露してくれるが、数多くの中年男性映画ファンが感情移入し、なおかつ声援を送るのは、東山ではなく田口だろう。

 

電話の着信やメールやテキストの受診のたびに明かされていく秘密も、まあまあ面白いし、中には心臓が飛び出るかと思うほどのシリアスな通話もあったりする。秘密の大部分は夫婦関係に属するものなので、脛にやましいところがある諸兄は細君を劇場鑑賞のお供に誘わないこと。『 喜劇 愛妻物語 』を本当に喜劇として受け取れる夫婦なら、全く問題ないだろう。

 

役者同士の演技合戦や、テンポの良い進行、ほとんど一か所だけで展開されるし、時間もわずか一晩のこと。『 キサラギ 』を楽しめたという人なら、チケットを買って損はない(『 キサラギ 』の方が面白さという点では上だろうけれど)。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210115010552j:plain
 

ネガティブ・サイド

これだけの演技派をそろえたのだから、アンサンブル・キャストに徹してほしかった。明らかに木南晴夏のスクリーン・タイムは短かったように感じる。もちろん、魂の絶叫や意外なところからのメール受信など見せ場はあったが、ゲームの言い出しっぺであるためか、他キャラよりも目立たなかった。

 

鈴木保奈美と益岡徹の夫婦仲の崩壊とそこからの回復は、なんというか非常にシラケるものだった。木南晴夏にも突っ込まれていたが、良い話でも何でもない。そもそも精神科医の妻が、「夫が自分に話してくれないことがある!」と憤慨するのがおかしい。話の内容ではなく、話さないという態度などから鑑別(別に病気ではないが)していくというプロフェッショナルな姿勢が見られなかった。他のキャラが仕事をネタにした話をする、あるいは職務で身に着いた喋りや振る舞いを見せているだけに、鈴木保奈美のキャラだけはもう少し深掘りができたのではないかと思ってしまった。

 

益岡徹が最後に種明かし的に語り始めるパートもノイズだった。おそらくこの部分が日本版リメイクで付け加えられた部分なのだろう。序中盤でちらっと見せられていたガジェットや、各キャラの発する伏線となる台詞を丁寧に説明したくなるのは分かるが、これはミステリではなくシチュエーション・コメディ。もっとスパッと説明するか、あるいは回想シーンにしてしまっても良かった。引っかかるのは「11月下旬に台風が本州、しかも関東にやってきて、建物の3階まで浸水するような大雨を降らせるか?」という疑問である。まあ、深く考えては負けなのだろう。

 

総評

突出した面白さがあるわけではないが、かといってチケット代を損したなどという気分にはならない。Jovianと同世代なら、すっかりmilfyになった常盤貴子目当てで劇場を訪れるのも良いだろう。誰と一緒に観に行くかで感想が変わるかもしれない。そうそう、一つだけアドバイスするが、ファミリーで見に行ってはいけない。直接的なラブシーンなどはないが、気まずくなること請け合いである。子どもが小学生ぐらいなら、質問攻めにされることだろう。タイトル通り、「おとな」が楽しむ作品である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You’ve got mail.

「あなたはメールを受け取りました」の意。劇中でメールを受信するたびにスマホがこのように喋ってくれる。トム・ハンクスとメグ・ライアンの『 ユー・ガット・メール 』の原題も“You’ve Got Mail”である。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, コメディ, 常盤貴子, 日本, 東山紀之, 監督:光野道夫, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 おとなの事情 スマホをのぞいたら 』 -平均的なコメディ-

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