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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 出口夏希

『 か「」く「」し「」ご「」と「 』  -看板に偽りあり-

Posted on 2025年6月4日2025年6月4日 by cool-jupiter

『 か「」く「」し「」ご「」と「 』 50点
2025年5月31日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:奥平大兼 出口夏希
監督:中川駿

 

『 君の膵臓をたべたい 』の住野よる原作、『 カランコエの花 』の中川駿監督ということでチケット購入。期待はやや裏切られた感じ。

あらすじ

大塚京(奥平大兼)は三木直子(出口夏希)に恋心を抱いていた。しかし、一方で単なるクラスメイトの男子としてのポジションにも満足していた。しかし、不登校だったとあるクラスメイトが学校に帰ってきたことで、京の周囲の人間関係が少しずつ動き出し始めて・・・

ポジティブ・サイド

はっきりとは覚えていないが、Jovianは保育園の年長ぐらいまでは、自分の気持ちも他人の気持ちも目に見えていた。より正確に言うと、AがBに怒っていると、AからBに赤い光線が走る、CがDに感謝しているとCからDに白い光線が走る、のように見えていた。まあ、イマジナリーフレンドのようなもので、自分だけに見えて、自分だけにリアルに感じられるものだったのだろう。小学校に入学したとたんに一切見えなくなったが、特にそれでショックを受けたような記憶もない。けれど、そうした見方をする子どもがいて、その子がそのまま成長したら・・・という想像は容易。なので、本作のキャラクターたちの「他人の気持ちが視覚化されて見える」という隠し事には素直に共感できた。

 

単に主人公とヒロイン、じゃなかったヒーローの二人の関係だけを追求する物語ではなく、5人組がアンサンブルキャストになっている点が良かった。若さとは省みないことたが、逆に省みすぎてしまうことでもある。青春時代、好きになってしまった相手に猪突猛進した人もいれば、好きになってしまったがゆえにその相手に対して身動きが取れなくなってしまった、なぜなら自分は相手にまったくふさわしくないから、と信じ込んでしまった人もいるだろう。本作は後者の集まりで出来ている。それが心理的な駆け引きではなく、それぞれの隠し事によるものだという点が興味深かった。

 

好きという感情もあれば、その反対に嫌いという感情もある。いや、マザー・テレサ風に言えば好きの反対は無関心か。誰かを嫌いになれるのも、それだけ相手を気に掛けているから。あるキャラがやや屈折した考え方(考え方であり、決して感じ方ではない点に注意)から一歩引いたところにいるのだが、これは古典的でありながらも現代的。『 カランコエの花 』のような価値観は本当に遠くのものになってしまったのだとしみじみ実感する。

ネガティブ・サイド

京のしゃべりがボソボソ、モゴモゴで聞き取りにくかった。監督の演出なのだろうか。はっきりとボソボソしゃべってこそ演技と言える。

 

ヅカにはパラ相手の見せ場はあったものの、一人だけ掘り下げが圧倒的に少なかったのは、原作がそうだからなのか、それとも脚本でそうなってしまったのか、はたまた編集の都合なのか。

 

主人公二人の特殊能力が、特に何もドラマを生まないのが一番の不満。他人の心理がある程度わかってしまう。だからこそ自分を抑えてしまうというのは、個人的には若さよりも老いを感じさせる。

 

ミッキーと京の距離が縮まるのがあまりにも唐突過ぎ。なんなら、不登校だったエルと京の間のドラマこそ盛り上がるべきだった。というか、女子からしたら男子にシャンプーを変えたことに気付いてもらえるというのは、メチャクチャ嬉しいか、メチャクチャ気持ち悪いかの二択。だからこそ、そこを追求するサブプロットがあってしかるべきだった。

 

全体的に5人が非常に閉じた世界に敢えて引きこもっているという印象を受けた。何の変哲もないクラスメイトの女子または男子が「お前らの両想い、バレバレだぜ?」みたいに一瞬だけ割り込んでくれば、もっとリアルになったように思う。

 

総評

羊頭狗肉は言い過ぎかもしれないが、「君の秘密を知ったとき、純度100%の涙が溢れ出す。」という宣伝文句は、看板に偽りありとの誹りは免れない。原作小説はしっかりしているのだろうか。中川駿監督の得意とするウソが下手な若者の像は描き出せている。ただ住野よるのテイストが出ていたかというと疑問。鑑賞するなら期待しすぎず、普通の青春群像劇でも観るか、ぐらいのノリでいた方が良い。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

dry up

干上がるという意味以外にも「言葉が出なくなる」という意味もある。He suddenly dried up in the middle of the presentation. =彼はプレゼンの最中に突然黙ってしまった、のように使う。プレゼン中でも商談中でも授業中でも、dry up は怖いものである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 金子差入店 』
『 国宝 』
『 ぶぶ漬けどうどす 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, 出口夏希, 奥平大兼, 日本, 監督:中川駿, 配給会社:松竹, 青春Leave a Comment on 『 か「」く「」し「」ご「」と「 』  -看板に偽りあり-

『 ココア 』 -甘味を知ってこそ苦みが際立つ-

Posted on 2020年4月1日2020年4月1日 by cool-jupiter

ココア 50点
2020年3月31日 自宅にて録画鑑賞
出演:南沙良 出口夏希 永瀬莉子
演出:阿部博行

f:id:Jovian-Cinephile1002:20200401224950j:plain
 

第30回フジテレビヤングシナリオ大賞なるものがあるらしい。それを14歳にして受賞した俊英がいる。その作品を映像化したのが本作である。Jovianお気に入りの南沙良出演ということで録画していたが、なぜ今まで観ることがなかったのか。単純に忘れていたからに他ならない。では何故思い出したのか。2020年3月4日のNHKの深夜ドラマ『 ピンぼけの家族 』を観ようとしたら録画失敗していたからである。嗚呼、南沙良・・・

 

あらすじ

家にも学校にも居場所がない灯(南沙良)、両親の不倫に苛まされている香(出口夏希)、笑顔を決して見せない志穂(永瀬莉子)の3人の女子高生。生きづらさを感じる彼女たちだが、周囲の人間とのちょっとした交わりから変化が生まれて・・・、

 

ポジティブ・サイド

どことなくビジュアルノベル『 428 〜封鎖された渋谷で〜 』なテイストが感じられるドラマである。場所が渋谷だからではなく、一見無関係に見えた登場人物たちが、実はどこかでゆるくつながっていてもおかしくないのだ、という感じが実によく似ているのである。

 

南沙良の鼻水たら~りは『 志乃ちゃんは自分の名前が言えない 』に引き続き健在である。日本の女優の涙にくれるシーンの極北としては『 万引き家族 』の安藤サクラの落涙か、南沙良の鼻水だろう。

 

表現者としては浦上晟周が良い味を出している。演技に垣間見えるぎこちなさそれ自体もも、演技なのだろう。気になるクラスメイトの女子に猛アタックを仕掛けるところ、無理やり距離を詰めて座ろうとするところ、問答無用でほっぺにキスするところ、それらすべてがぎこちない。ゆえに、かえって迫真性が生まれている。Jovianは高校生の頃、上のような行為のいずれも実行できなかった。リア充爆発しろ渡辺大地と浦上晟周が、南沙良と永瀬莉子を上手く引き立てていると感じた。

 

ココアという飲み物がコーヒーと巧みに対比されている。コーヒーの苦さを美味しいと感じることができるかどうか。そうした羽化前の少年少女たちの物語として、それなりに見ごたえはあった。

 

ネガティブ・サイド

やはりテレビの限界なのか、照明のしょぼさやカメラアングルのバリエーションの乏しさが目立つ。特に目ざとい映画ファンであるならば、渡辺大地の頭上の枝の枯れ葉が、設定上はそれぞれ異なる夜であっても、位置と枚数が全く同じであることに気づくだろう。全く同じことが、川沿いの帰り道のシーンについても言える。大急ぎで撮影しました、ということがほとんどあらゆるシーンから伝わってくる。このあたりのリアリズムが、テレビ映画と劇場公開される映画の一番の違いの一つだろう。

 

主演の一角を担った出口夏希、永瀬莉子ともに表現力に欠ける。発声と表情は、まあ及第か。問題はちょっとした仕草やジェスチャーがあまりにも乏しいこと。敢えて酷評させてもらえれば、学芸会に毛が生えた程度のお芝居。役者を志すなら、年に150本は映画を観て、先達から吸収すべし。

 

本編と全く関係のないCMの愚痴になるが、第一生命のCMに出てくる看護師がナースキャップをつけていた。日本でいまだにナースキャップをつける看護師というのは、漫画かアダルトビデオぐらいにしか出てこないと思っていたが・・・ CM監督の全員がそうであるとは思わないが、もっと現実に対するアンテナの感度を高めてほしい。テレビドラマやテレビ映画の監督や演出家も同様である。

 

総評

CMの存在がこれほどウルサイとは。やはり民放の映画やドラマは観るものではないのかもしれない。ひたすらに内向的な少女のイメージの強い南沙良の、陽キャな面と陰キャな面の両方を楽しむ作品という位置づけにしかならない。案外、男子高校生ぐらいが楽しめる作品なのかな。ただ、女子高生の中には『 スウィート17モンスター 』みたいなのもいるので、奥手な男子諸君はよくよく勉強してから女子にアプローチをしよう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Are you a virgin?

「おじさんって、童貞?」の私訳である。処女でも童貞でも、性体験のない者は性別問わず英語ではvirginである。シュワちゃんの映画『 ツインズ 』では、ダメダメ兄貴のヴィンセントが弟ジュリアス(シュワルツェネッガー)に、“Are you a virgin?”と、思わず言ってしまうシーンがある。Jovianはそこで、「ははあ、男もvirginと言うのか」と学んだことをよく覚えている。

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Posted in テレビ, 国内Tagged 2010年代, D Rank, ヒューマンドラマ, 出口夏希, 南沙良, 日本, 永瀬莉子, 演出:阿部博行Leave a Comment on 『 ココア 』 -甘味を知ってこそ苦みが際立つ-

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