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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: ロブ・コードリー

『 エンド・オブ・ザ・ワールド 』 -終末シミュレーションの平均的作品-

Posted on 2019年2月22日2019年12月23日 by cool-jupiter

エンド・オブ・ザ・ワールド 45点
2019年2月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:キーラ・ナイトレイ スティーブ・カレル ロブ・コードリー
監督:ローリーン・スカファリア 

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190222031236j:plain

原題は”Seeking a friend for the end of the world”である。世界の終わりネタというのは、小説から映画まで、これまで数限りなく生産されてきた。新約聖書の『 ヨハネの黙示録 』はローマ帝国滅亡のビジョンだと言われるが、旧約聖書の『 創世記 』のノアの方舟も典型的な滅亡物語だし、それをさらに遡ること数百年、『 ギルガメシュ叙事詩 』もある意味では英雄譚にして世界放浪と滅亡の物語だったのかもしれない。では本作はどうか?平均的な作品であった。

 

あらすじ

地球に天体衝突の危機が迫っている。そんな中、ドッジ(スティーブ・カレル)はふとしたことから、同じアパートのペニー(キーラ・ナイトレイ)と知り合う。混乱と平穏が交錯する中、彼らはドッジのかつての恋人を訪ねる旅を共にするようになる・・・

 

ポジティブ・サイド

『 プールサイド・デイズ 』や『 バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』では性格に難のある男を演じていたが、スティーブ・カレルの本領はこうした寡黙で内気で、それでいて内面に様々な感情を秘めたキャラクターなのかもしれない。特にヒスパニックのメイドに優しい声をかけるシーンと、彼女に対して声を荒げるシーンは、このキャラクターの深みをよく表していた。滅亡を前に暴徒と化す人もいれば、滅亡を前にしても淡々と日常を過ごす人もいる。前者は結構しつこく描かれるが、後者をたった一人の中年女性と中年男性のビミョーな距離感で描き切ってしまったのは新鮮であった。

 

キーラ・ナイトレイも、いわゆる成熟した大人の女でありながら内面の成長はそれほどでもない、みたいなキャラを演じるようになって久しい。『 はじまりのうた 』や『 アラサー女子の恋愛事情 』などのキャラの原型は本作から生まれたのかもしれない。

 

家族愛と異性への愛、父と息子の対立と苦悩、非常に分かりやすいテーマが提示され、キャラクターもそこそこ魅せてくれる。弱々しいスティーブ・カレルを見てみたいという人にはお勧めできそうである。

 

ネガティブ・サイド

あまりにも典型的なロードムービーだ。ロードムービーそれ自体はハズレを生み出しにくいジャンルであるが、同時に傑作も生み出しにくいジャンルでもある。まあ、本作が傑作になろうとしていたかどうかは疑わしいところだが。キャストはまあまあ豪華だが、作りはどう見ても低予算映画のそれであるからだ。本作が目指すべきは、地球滅亡が現実として迫ってきた時に、どれだけ特異な人物を描けるか、またはどれだけ特異な状況を描き出せるかだったはずだ。しかし、過去にすれちがってしまった愛する人を探し求めるというのは、小天体が地球との衝突コースに入らなくても出来る。例えば、不治の病で余命を宣告されてしまうとか、両親や親せきに望まぬ結婚を押しつけられそうになるだとか、または同窓会に出席するはずだった、かつての憧れの人が何故か来なかったからとか、色々ときっかけになるような出来事は考えられる。本作は、天体衝突という極限のディザスター・ムービーでもあるのだから、もう少し捻った展開が欲しかった。

 

総評

典型的な Rainy Day DVD である。手持ち無沙汰の雨の日に、DVD(または配信)で観るぐらいでちょうど良い作品である。もしも滅亡が差し迫った状況で個はどう振る舞うのかに感心があれば、主演ニコラス・ケイジ、監督アレックス・プロヤスの『 ノウイング 』の方が面白いと感じるはず。全体的にクソ映画ではあるが、最後のニコケイの笑顔はとても良い。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, D Rank, アメリカ, キーラ・ナイトレイ, スティーブ・カレル, ヒューマンドラマ, ロブ・コードリー, ロマンス, 監督:ローリーン・スカファリア, 配給会社:ツイン, 配給会社:ミッドシップLeave a Comment on 『 エンド・オブ・ザ・ワールド 』 -終末シミュレーションの平均的作品-

『 オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 』 -アメリカ版『 テルマエ・ロマエ 』・・・ではない-

Posted on 2018年12月20日2019年12月6日 by cool-jupiter

オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 50点
2018年12月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ジョン・キューザック クラーク・デューク クレイグ・ロビンソン ロブ・コードリー
監督:スティーブ・ピンク

f:id:Jovian-Cinephile1002:20181220153154j:plain

原題は“Hot Tub Time Machine”、邦題はおふざけが過ぎるかもしれないが、内容を考えれば、これぐらいぶっ飛んだタイトルの方が逆に的確かもしれない。主役はジョン・キューザックだったはずだが、あるところからロブ・コードリーが文字通りの意味でsteal the showを行う。『 ジュラシック・パーク 』ではサポーティング・アクターだったはずのジェフ・ゴールドブラムが、『 ロスト・ワールド ジュラシック・パーク 』では主役に躍り出たような感じか。

 

あらすじ

アダム(ジョン・キューザック)は同棲していた彼女に捨てられ、自棄になっていた。そこに旧友のルー(ロブ・コードリー)が自殺未遂を図ったとの連絡を受け、病院に急行。そこでもう一人の旧友ニック(クレイグ・ロビンソン)とも再会を果たす。ルーは回復、日常の憂さを晴らすべく、かつて3人で盛り上がったスキー・リゾートにアダムの甥っ子ジェイコブ(クラーク・デューク)と共に繰り出す。街の凋落ぶりに落胆する3人だったが、気を取り直してジャグジーで乾杯。そして目覚めた時には1980年代にタイムスリップしていた・・・

 

ポジティブ・サイド

高校生がロッカールームで騒ぐ、あるいは大学生が寮内で騒ぐのと同じノリを、いい年こいたおっさん連中が維持していることにはある種の爽快感と痛快さがある。こうした超高速会話劇は日本では『 シン・ゴジラ 』が傑作とされているが、英語圏では(言語特性の違いも大きいが)ごく普通のスピードだったりする。英語に堪能な人は、ぜひ本作のキャラクターたちが使いこなす、いわゆる four-letter words を研究してみよう。

 

本作のテーマは、人生における後悔、怒り、不都合な真実をタイムトラベルによって解消できるかということである。これだけなら何の変哲もないタイムトラベル物語なのだが、タイムマシンがお風呂であること、そして過去に行き着いた主人公たちは自分たちの認識では中年(一人未成年含む)なのだが、鏡に映された姿は若い頃の自分たち。そして、周りの人間にも若い=同時代の人間であると認識されるところだ。まるで藤子・F・不二雄の漫画『 未来の想い出 』のようだ(€ちなみに映画化作品の『 未来の想い出 Last Christmas 』はまだ観ていない)。人間は往々にして現状の不満の原因を過去に求める。それをやり直すチャンスが得られたら、トライするだろうか?それとも現状を受け止めて、過去には一切手を触れないようにするだろうか。

 

本作では興味深いサブプロットが進行する。現在の世界で片腕の無い男が、過去ではその片腕があるのだ。この部分は以外に面白い。いったい、いつこの男は片腕を無くすのか?しかも、どのように?馬鹿馬鹿しいプロットではあるが、これがあるために劇中のとあるシーンにスリルとサスペンスが生まれている。

 

ネガティブ・サイド

少し80年代をチープに描き過ぎではなかろうか。また、タイムパラドックスの代表例とも言える親殺しのパラドクスは、もう少しうまい具合に料理できなかったか。この分野には『 バック・トゥ・ザ・フューチャー 』という不朽の名作が天高く聳え立つが、いっそのことパロディ色を前面に押し出しても良かった。また、『 バタフライ・エフェクト 』を思わせるような、過去のほんの少しの改変が未来に巨大な影響を及ぼすかのような描写もあったが、そのあたりのシリアスさは全くもってスルーされてしまった。冒頭にも述べたが、主人公が途中で交代してしまったかのようなちぐはぐさも気になった。こうしたことは稀に起こるが、成功例は少ない。最近では『 ボーダーライン 』でベニシオ・デル・トロがエミリー・ブラントから steal the show をした例が挙げられる。全体的に色々なものをパッチワーク的につなぎ合わせたような不揃い感が強く残り、コメディとしての面白さは維持しているが、映画としては失敗作という印象を受けた。特に夜中のとある屋根の上のシーンの星空の作り物感にはガッカリさせられた。リゾート地の星空なのだから、もう少しリアリスティックかつロマンティックな星空を描くべきだ。タイムトラベルという大ウソをつくのだから、細部のリアリティにもっとこだわるべきだ。

 

総評

珍妙な邦題をつけられた作品が好きだ、という向き以外には強くお勧めする理由はない。ただ『 プールサイド・デイズ 』で割と真面目でまともな隣人を演じていたロブ・コードリーの、頭のねじを意図的に外したような演技に興味があるという人は、雨の日にでも観てみよう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, D Rank, アメリカ, コメディ, ジョン・キューザック, ロブ・コードリー, 監督:スティーブ・ピンクLeave a Comment on 『 オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 』 -アメリカ版『 テルマエ・ロマエ 』・・・ではない-

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