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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: ジェイコブ・トレンブレイ

『ザ・プレデター』 -製作者がアホだらけ=登場人物もアホだらけ-

Posted on 2018年9月27日2019年8月22日 by cool-jupiter

ザ・プレデター 20点

2018年9月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ボイド・ホルブルック トレバンテ・ローズ ジェイコブ・トレンブレイ キーガン=マイケル・キー オリビア・マン 
監督:シェーン・ブラック

f:id:Jovian-Cinephile1002:20180927234655j:plain

  • 以下、マイルドなネタばれ記述あり

まるで『デスノート Light up the NEW world』を観ているようだった。つまり、長い年月を経て続編を作ったにもかかわらず、そこにあるべきアイデアが全く無いという意味である。デスノートという凶悪な兵器が存在することが分かっている。そして、そのノートが力を発動する条件も解析されている。ならば可能な限りのシミュレーションを行い、万全に近い対策を取れるようになっていなければおかしい。にも関わらず、お面は無いだろうお面は・・・と落胆させられた映画ファンはきっと多かったことと思う。あの何とも言えないがっかり感、虚脱感をまた味わえるのが本作である。よほどこのシリーズ、もしくはプレデターというクリーチャーに思い入れが無い限りは、カネと時間の両方を浪費することになるだろう。注意されたし。

 スナイパーのクイン・マッケナ(ボイド・ホルブルック)は、任務の最中に異星人の宇宙船の墜落に遭遇してしまう。そこで仲間を失い、自身もピンチに陥るも、異星人の装備を偶然に発動させてしまったことで危機を脱する。事態の深刻さを重く受け止めたクインは、自閉症気味だが天才でもある息子、ローリー・マッケナ(ジェイコブ・トレンブレイ)に装備を託す。しかし、1987年から異星人の襲来を知り、研究をしていた機関がマッケナ家に迫る。一方で、異星人を狩る異星人も地球に降り立ち、事態は混迷を極める。マッケナは、刑務所へ護送中の脛に傷のある兵士たちと共に立ち上がる・・・

 

以下は、余りにも不可解な点のいくつかを書き出したものなので、これから映画本編を存分に楽しみたいと思っている方は読まない方がよいかもしれない。

 

まず言っておかねばならないのは、この映画の登場人物たちの思考や発言、行動をまともに理解しようとしてはいけない、ということである。なぜ生きたプレデターのサンプルをあれほど無造作に扱うのか。『ライフ』における“カルヴィン”の如く扱われてしかるべきではないのか。なぜプレデターの装備品を強化ガラスでも何でもない、ただのガラスケースに入れて展示しているのか。なぜ女性生物学者のケイシー(オリビア・マン)がララ・クロフトばりの体術を披露してプレデターを追跡するのか。なぜ自国の戦闘機が撃墜されているというのに、米軍は本腰を入れてプレデター掃討に乗り出さないのか。なぜ警察や軍は真っ先に張り込むべきクインの自宅に張り込まなかったのか。なぜクインの仲間たちは車を手に入れろと言われて、絶対に盗んではいけないコップ・カーを盗んでくるのか。なぜローリーが、全くの不運とはいえ、プレデター兵器で殺人を犯さねばならないのか。なぜケイシーは、いやしくも生物学者の端くれであるにも関わらず、異星生物の体液に何の抵抗もなく素手で触れてしまうのか。なぜケイシーは光学顕微鏡でプレデターの血液を覗いて、それが各種生物のハイブリッドであると分かるのか。そもそもプレデターのDNA、というか遺伝情報が書き込まれた生化学物質は光学顕微鏡で見えるサイズなのか。また、なぜ見たことがないはずの≪銀河系中の生物の遺伝情報≫を取りこんでいる、などと分析できてしまうのか。30年も研究していたなら、プレデターの装備の素材の強度などとっくの昔に分析済みだろう。なぜ通用しないと分かっている弾丸を撃ち続けるのか。徹甲弾ぐらい用意できなかったのか。またファーストはなぜスーツそのものを人類に託すのか。そこは設計図、もしくはプレデター側の情報だろう。

さらに本作の問題点は続く。どこかで見た構図が異様に多いのだ。ちょっと思い出せるだけでも『ミッション・インポッシブル』、『ターミネーター』および『ターミネーター2』、『エイリアン』および『エイリアン2』、『スタートレック』、『アイアンマン』、『インデペンデンス・デイ』および『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』などなど、Jovian以上のCinephileなら、おそらくもう20~30本は本作の先行作品というか、模倣の基になったお手本作品の名を挙げられるのではなかろうか。

オリジナルの『プレデター』が素晴らしかったのは、軍人ユニットに特有の緊張感のあるユーモア、サバイバルという共通の目的を暗黙のうちに理解し合ったチームワーク、そして戦士vs戦士へと昇華していく流れの良さだった。役者としてそこにいたはずのシェーン・ブラックにして、何故こんなクソのような続編を作れてしまうのか。本編中でやたらと「プレデターは言葉通りの意味のプレデターではない」みたいなことを何度もキャラクターに喋らせ、代わりに「エイリアン」を連呼させていたが、何か映画製作中に外部もしくはスポンサーから特別な注文でもついたのか。ここからさらに続編作る気満々のようだが、製作者を総入れ替えしない限り、同じようなクソ作品になることは火を見るよりも明らかである。

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, E Rank, SFアクション, アメリカ, オリビア・マン, ジェイコブ・トレンブレイ, 監督:シェーン・ブラック, 配給会社:20世紀フォックス映画Leave a Comment on 『ザ・プレデター』 -製作者がアホだらけ=登場人物もアホだらけ-

『ワンダー 君は太陽』 -人の見た目が変えられないなら、人を見る目を変えるべし-

Posted on 2018年6月17日2020年2月13日 by cool-jupiter

ワンダー 君は太陽 75点

2018年6月16日 MOVIXあまがさきにて観賞
出演:ジェイコブ・トレンブレイ ジュリア・ロバーツ オーウェン・ウィルソン
監督:スティーブン・チョボウスキー

*一部ネタバレあり

これは傑作である。何が本作を傑作たらしめるのか。それは主人公オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)が自分自身の力で何かを成し遂げる様子を逐一カメラに収めているからではなく、むしろオギーの周囲の人間が知らず知らずのうちにオギーの影響を受けているということを観客に非常に分かりやすい形でプレゼンテーションしてくれているからだ。またオギー自身も、決して子どもに似つかわしくない明晰すぎる頭脳やタフすぎる精神力を備えているわけでもない。言わば、ちょっと特殊な顔を数々の手術で治してきただけの普通の男の子なのだ。オギーを見ることは、ある意味で自分自身の暗い心と向き合うことでもある。誰もが何かしらの罪悪感や劣等感に苛まされているものだが、もしもそれがほんのちょっとのきっかけで取り除かれるのであれば、人は人にもっと優しくなれるかもしれない。どうせ自分は背が低いから、どうせ自分は太っているから、どうせ自分は二重瞼じゃないから、どうせ自分は・・・ と自分にマイナスの符号ばかりつけるということを、我々はしがちである。しかし、ほんの少し見方を変えれば、ほんの少し接し方を変えれば、ほんの少し勇気を振り絞れば、何かが大きく変わるかもしれない。そんな気にさせてくれる作品である。

もちろん、オギーの学校生活は初めはとても辛いものだ。誰もがオギーを「疫病神」扱いする。しかし、そんな中でも手を差し伸べてくれる子どもはいるし、オギーにはその手を握り返すだけの勇気があった。またテストで困っているクラスメイトに、こっそり自分の答案用紙を見せてやるなどの優しさや茶目っ気もある。他校の年上の生徒に友達が殴られたのに対して敢然と立ち向かう姿勢すら見せる。しかし、考えてみれば、こうしたことは全て普通のことであると言える。これがドラマチックであるのは、オギーが特別な少年だからではなく、オギーを特別な少年であると思い込んでいる我々の側にその原因があることが明らかになってくる。そのことを本作はある種の群像劇の形で教えてくれる。

この映画は、オギーの父ネート(オーウェン・ウィルソン)、母イザベル(ジュリア・ロバーツ)、姉ヴィアや愛犬のデイジー、その他にも姉の友人やボーイフレンド、オギーのクラスメイトや友人、教師、校長先生らの目を通じて、オギーの周囲の人間ドラマを構成していく。特に姉ヴィアが経験する親友との突然の断絶と新しい出会いは、『 レディ・バード 』でも似たようなテーマが扱われていたように、普遍的な事象であると言える。それが特殊な色彩と帯びて見えるとするなら、やはりそれは観る側の目にフィルターが掛かっているからなのかもしれない。そのことを暗示するのがオギーが友達のジャック・ウィル(ノア・ジュプ)と組んで発表する理科研究プロジェクトであると思う。

その他、個人的にツボだったのは、スター・ウォーズからチューバッカとダース・シディアスが参戦していること。このぐらいの年齢の子になると、旧三部作と新三部作を分け隔てなく愛でられるということは『 ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス 』でも触れられていたが、時代は確実に進んでいるようである。それでも学校のとあるイジメのシーンでオギーを指して悪ガキのジュリアンが”Darth Hideous”と呼ぶところなどは、前述のジャック・ウィルの子どもらしさとはまた別の子どもらしさを見せられ、ぞっとしてしまった。このクソガキを巡ってはさらに一悶着あり、彼の良心と両親にも見せ場が与えられる。そこで、この世は陽の光と虹だけで出来ているわけじゃないんだ、というロッキー・バルボアの言葉を言葉を思い出す人もいるだろう。また劇中で『オズの魔法使い』が一瞬出てくるのだが、この作品でも虹は重要なモチーフになっている。それをオギーとジャック・ウィルはあっさり観ないという選択をするのだが、ここからもオギーと皆の物語は、魔法ではなく皆の知恵や勇気によって紡がれているものだということが暗示されているようだった。

再度繰り返すが、本作の素晴らしさは、オギーその人ではなく、彼の生きる世界の明るさと暗さ、その両方に我々が魅せられるからだ。愛犬デイジーとの別れや、そのことに独り寂しく涙する父などの姿なくして、オギーの成長はなかったし、物語世界の豊饒さは生まれなかったのではないだろうか。人は変わることができる、それは『スリー・ビルボード』のテーマでもあったが、そのことは本作にも通低している。映画ファンであってもなくても、見て損は無い傑作である。

それにしても主演のジェイコブ・トレンブレイはアダム・ドライバーそっくりだし、親友役のノア・ジュプはトーマス・ブロディ=サングスターに良く似ている。将来に期待が持てそうな子役たちである。

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, アメリカ, オーウェン・ウィルソン, ジェイコブ・トレンブレイ, ジュリア・ロバーツ, ヒューマンドラマ, 監督:スティーブン・チョボウスキー, 配給会社:キノフィルムズLeave a Comment on 『ワンダー 君は太陽』 -人の見た目が変えられないなら、人を見る目を変えるべし-

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