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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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『 ブライトバーン 恐怖の拡散者 』 -全てがこけおどしのクソホラー映画-

Posted on 2019年11月29日2020年4月20日 by cool-jupiter

ブライトバーン 恐怖の拡散者 20点
2019年11月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:エリザベス・バンクス デビッド・デンマン ジャクソン・A・ダン
監督:デビッド・ヤロベスキー

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『 地獄少女 』がホラーとは言えないビミョーな出来だったので、ホラー成分を求めて本作へ。やはり季節外れのホラーは観るものではないと思わされた。何という駄作。

 

あらすじ

ブライトバーンに暮らすトーリ(エリザベス・バンクス)とカイル(デビッド・デンマン)の夫婦はなかなか子どもを授からなかった。そんな時、天空から飛来した何かが自宅近くに落下。その後、二人はブランドンを名付けた赤ん坊を育て始めた。12年後、少年に成長したブランドンは、自分が普通の人間ではないと気付き始めて・・・

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ポジティブ・サイド

それほどメジャーではない俳優でも、演技面ではしっかりしているのがハリウッド映画の長所か。エリザベス・バンクスもデビッド・デンマンも、過去の出演作を鑑賞したことがあるが、正直なところ記憶には残っていない。それでも本作を観て感じるのは、迫真の演技をしているということ。例えば『 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 』はレオ様とブラピでなければヒットしなかっただろうが、『 クワイエット・プレイス 』はエミリー・ブラントやジョン・クラシンスキーでなくとも、『 孤独なふりした世界で 』もエル・ファニングやピーター・ディンクレイジでなくとも、それなりの結果を残せた作品であったと感じる。役者の演技力で言うなら、オリンピックの100メートル走のランナーのようなものか。世界トップとその他のランナーの差は0.1~0.5秒差。超高額なギャラを要求するような大御所を起用せずとも、アイデアと演出で勝負する時代が来つつある。里親二人の熱演から、そのようなことをつらつらと考えた。

 

主演のジャクソン・A・ダンも悪くなかった。ジェイソン・クラーク的というアレだが、元々の容貌が正義の味方というよりもダークサイドを内に秘めた感じがしていて本作にはマッチしている。『 アンブレイカブル 』では見事に子役をこなし、『 ミスター・ガラス 』では頼もしく成長した姿を披露したスペンサー・トリート・クラークを彷彿とさせる。彼のハンドラー達は彼をしっかりと名脇役に育てて欲しい。

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ネガティブ・サイド

オリジナリティの欠如も甚だしい。ここまで様々なネタををあちこちの映画からパクってくるとは、監督・脚本家・プロデューサーの連中は一体何を考えていたのだろうか。

 

まず始まりからして『 IT イット 』である。リメイク版ではなくテレビ映画版である。干した洗濯物をかき分けて進む画は他作品でも色々と見られるが、それを本作で取り上げる意義は何か。プロットも『 スーパーマン 』のパクリである。オマージュではない。パクリである。もしくは漫画『 ドラゴンボール 』で、孫悟空がじっちゃんに育てられず、サイヤ人として成長していれば・・・というプロットの焼き直しでもある。

 

異能の力を持つ子に親が銃口を向けてしまう画は『 テルマ 』が既に見せてくれているし、キャンプに行った先で子どもがいなくなるというのも『 アメイジング・ジャーニー 神の小屋より 』で既に見た。

 

他にも『 クロニクル 』の空飛ぶシーンそっくりの構図あり、『 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 』でキングギドラがゴジラに加えた攻撃方法と全く同じことをブランドンがやったりと、全編これ、過去作品のモンタージュで出来ているかのようだ。

 

もちろん、ホラー映画のクリシェもふんだんに取り入れられている。カメラが片方にパンして、もう一方に戻ってくると、そこには!!という手垢まみれの手法をこれでもかとばかりに全編にわたって使いまくる。もちろん、不快感を誘う低音の音楽がジャンプ・スケアのタイミングをしっかりと教えてくれるので、感じるのは恐怖ではなくビックリだけ。子どものノートを見た親が、そのダークな中身に衝撃を受けるというのは『 ビューティフル・ボーイ 』が先行している。目から光線というのもスーパーマンそのままだが、光る眼で恐怖を演出するのは、ジョン・ウィンダムの小説を映画化した『 光る眼 』のクライマックスで体験済み。無数の子どもたちが無言のまま一斉に目から白い光を放って、人間の形ではなくなっていくあのシーンの方が遥かに恐怖感を味わわせてくれた。

 

本作にサスペンスがないのは、ブランドンが葛藤を経験しないからである。なぜ自分に注目してくれるクラスの可愛い女子に怪我を負わせるのか。力の使い方や使いどころを間違ってしまったわけではない。ただの思い込みに過ぎない。自分がちょっとでも気に入らない者は無条件に傷つけるというのなら、いじめっ子的なクラスメイトが無事なのは何故なのか。ブランドンの何もかもがこけおどしで、恐怖の演出もクリシェばかり。図々しくも続編も視野に入れているようだ。こんな映画を作って、あるいは観て、誰が得するというのだろうか。

 

総評

観てはならない。チケットを買ってはいけない。レビューだけ見て満足すべし。もしも高い評価を与えているレビュワーがいれば、目が節穴か、依頼されて書いていると思っていい。それぐらい酷い駄作である。2019年はホラーの凶作年だったか。面白かったのは『 アス 』ぐらい。2020年の『 シライサン 』と『 犬鳴村 』に期待するとしよう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Let’s have some fun.

 

日本語にすれば「楽しもうじゃないか」という意味である。いざ子作りしようというカイルとトーリの会話中の台詞である。だからといってロマンチックな、あるいはセクシャルな文脈だけで使う表現ではない。普通にパーティーに出席したり、スポーツやゲームに参加したり、あるいはライバルや強敵との戦いに臨むなどにも使うことができる表現である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, E Rank, アメリカ, エリザベス・バンクス, ジャクソン・A・ダン, デビッド・デンマン, ホラー, 監督:デビッド・ヤロベスキー, 配給会社:Rakuten Distribution, 配給会社:東宝東和

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